ドクター・リンの写真世界 vol.8

ゴールデンアワーに5分間露光して、積層雲の美しくも不規則な軌跡を収める

この作品は中国雲南省の東川紅土地で撮影した。広大な大地、赤紅色の土壌と色彩豊かな農作物の情景が壮観だ。

太陽が沈む前のゴールデンアワー。ゴールデンアワーの正確な定義は、太陽の角度が地平線の+6°から- 6°の間に位置する時である。ゴールデンアワーの光は美しく、柔らかく、色も豊富で光差が低く、長時間露光で風景を撮る絶好のチャンスだ。

しかし現実には、太陽と地平線との角度以外に、雲の種類、厚さ、空気中の粒子、汚染など、当日の天気の状況によって決定しなくてはならない。この作品の雲は多いが厚みはなく、太陽は雲の上に投射され、華麗な黄金色に染められている。これが風景写真家の夢見る「夕焼け雲」である。

この作品ではND1000を使い、約5分間露光し、積層雲の美しくも不規則な軌跡を写真に収めた。長時間露光撮影では、異なる形状の雲、雲の移動速度と露光時間が総合され、写真に普段と異なる視覚効果を与えることができる。これが長時間露光撮影の面白い所で、風向きと風速によって変化し、撮影の結果を予測する事はできない。

時に、風景だけの写真だと、実際の大きさが容易に判断できないが、私たちがよく知っている物を比較対象として入れることで、風景の壮大さに気づくことができる。比較によって景色の雄大さと壮観を表すのだ。この写真でも近くの小さな家を構図の中に入れ込むことで、対比を通して「東川紅土地」の広大さを表現した。

Canon 5D Ill, Canon 11-24mm @21mm, f/16 ISO:100, SS:300秒, 180mmホルダー, ND64