ドクター・リンの写真世界 vol.10

リフレクションが作品に神秘性与え、見る人の想像力を刺激する

風景撮影において、リフレクションはとても面白く魅力的な要素だ。その表現は多様化し、屋外撮影で特によく見られる。海辺や、湖水あるいは池のような大きなものから、普通の水たまりのような小さな面積でも、適切な角度で撮影すると美しい映像ができあがる。小さな面積の反射は見落としやすいが、外に出て周りをつぶさに観察すると、思いがけないリフレクションを見つけ、唯一無二の作品ができあがる。

風のない朝や夕暮れはリフレクション撮影に良い時間帯で、波やさざ波が小さく、水面は鏡のように滑らかになり、反射した影がとてもはっきりと映る。水面が穏やかであるほど、反射は際立つ。そよ風によりさざ波が立っている場合でも、長時間露光で撮影すると水面は鏡のようになり、リフレクションが強調される。また、朝と夕暮れのゴールデンアワーや、ブルーアワーの柔らかな光や色は、リフレクションをさらに魅力的にする。日の出と日没の光差は小さく、適切な長時間露光で、シルク状の雲彩を背景に撮影した。

これはノルウェーにあるTungenesの展望台から撮影したもので、ここからは湾の向こう岸にあるOkshornan山脈を眺めることができる。この山脈は独特の外観から「鬼の歯」と呼ばれている。私は、ND64を用い、太陽が山に沈むゴールデンアワーに120秒のシャッタースピードで撮影した。ゴールデンアワーの光は山脈に色彩とグラデーションを与える。この作例のように、リフレクション写真は時に錯覚を引き起こし、パッと見ではどちらが本物であるかを判断するのが難しい。リフレクションをうまく利用することで、神秘さを醸し出し、見る人に多くの想像の余地を与える事ができる。リフレクション撮影のコツは、三脚の高さを低く調整することだ。こうすれば本体とリフレクションとの距離を効果的に近づける事ができる。

リフレクションの構図は一般の撮影よりもよく考える必要がある。この作品は二分割の構図を採用し、完璧な対称を表している。対称はバランスと安定感を与え、写真に調和や静けさをもたらす。リフレクションには独特な魅力があり、三分割法では出せない効果がある。もちろん、二分割の構図が唯—の選択ではなく、実際の状況に応じて決めるべきで、他の構図の方があなたのアイデアをより効果的に伝える事ができるかもしれない。対称が与える静けさと調和、長時間露光による動感は、動と静のコントラストを与える。これは長時間露光とリフレクションならではの特殊効果で、通常の撮影では実現できない。

Canon 5D Ⅲ, Canon 24-40mm @45mm, f/16 ISO: 100, SS: 120秒,  V5ホルダー, ND64